七笑い合唱団

​平成21年に結成、最高齢87歳から最年少48歳まで、総勢60名の団員を抱える”七笑い合唱団”。その歌声は年齢を感じさせません。指揮者の小林典子さんのしなやかなタクトに合わせて、時に力強く時に優しいハーモニーが響きます。

​すごい!

想像に反して本格的な練習風景…

​でもみんな楽しそう

​立春を過ぎたある日、七笑い合唱団を訪ねて指導者の小林典子さんにお話を伺いました

​合唱団を立ち上げた経緯について教えて頂けますか?

​10年くらい前でしょうか、当時の公民館長さんから、”ふるさと合唱団”のようなものを立ち上げたいと思っているのだけど、私にその指導をして貰えないだろうかと打診されまして・・・。私も、もともと歌は好きでしたし,  面白そうだなと思って、二つ返事でお受けしました。  最初から60人くらいの方が集まりました。これなら続けられそうかなて、手応えは感じましたね。

七笑合唱団"。ちょっと面白いネーミングですね?

​ふふ、私が名付け親なんだけど…ちょっとヘン? でもね、”笑うこと”は大切でしょ?それに明るく

楽しい合唱団にしたいなという思いもあったし…、7という数字もラッキーナンバーだし…。でも決め手はアレかな、私、お酒がすきでしょ、ご存知ないですか? ”七笑”て、とっても美味しいお酒があるんですよ、信州木曽の地酒で。

団員の方が亡くなられた時、その方の告別式で皆さんで合唱されますよね?

ええ、最初は列席者の方たちも戸惑ってらしたようですけど…。もちろん、団員たちの同意のもとに行っています。

皆さん、喜んで賛成してくれています。故人のいちばん好きだった歌を歌ってお見送りするのですけど…。私も、そうやってお別れしたいわ。だって、みんなそれくらい歌が好きなんですもの。もともとは、昔…私がある式に列席したとき、そうやって歌って個人をお見送りする場面を見てとても感動した経験があって、それがきっかけですね。

​小林典子さんは、長年教鞭を執られていた方で、波瀬小学

校・川俣小学校では校長も務められました。また、合唱団とは別に”ありんこ劇団”も主宰されていて、常に飯高の文化をリードし続けている才媛なんです。

​合唱団の稽古は月に2回、現在は休校中の川俣小学校の校長室にピアノを持ち込んで行われています。毎回「ワハハ・ワハハ・ハハハハハ」という発声練習から始まります。この日も40人の団員の方たちが揃って「ワハハハ・ワハハ・ハハハハハ」歌は表情が大切です。今日は男性陣の表情が特に良かったですね、××さん!  とってもステキだったわ!」

小林先生の明るい指導に、団員たちは七笑いどころか十笑に…。団員の中には松阪市街からバスに乗って1時間かけていらっしゃる方もいます。皆さんにもお話をお伺いしました。

​みなさんの入団のきっかけはどういうものだったのでしょう?

私は奈良県からの移住です。川俣が気に入って古民家を買いました。

それでご近所の方から、田舎暮らしに早く馴染むためにもこの”七笑”に入ればとお誘いを受けました。それで…​.​。

​ワシはな、子供が先生にお世話になったんやわ。そいで、女房と二人で入ったんやけども…。いや、月2回の練習日は楽しみになっとるな。

​今は昭和8年生まれの私が一番上やけども、100歳の男の人もおったんやで。健康でこうやって歌えるのが一番て思てます。練習日は待ちきれんて感じやねえ。

​僕は定年退職で地元に戻ってきたわけやけど…、入団したのは”言い出したら絶対に引かない”先生の勧誘です。思い切り大声出せて気分がスカッとするし、今は先生に感謝ですわ。

七笑合唱団の皆さんは、各地の保育園や老人施設にも訪問なさっています。寸劇を取り入れるなど創意工夫もされていて、どこからも引っ張りだこで、大忙しです。レパートリーは100曲ものぼるとか。

​皆さんのお気に入りの一曲はなんですか?

”タンポポ”。 今の季節にピッタリ。

「北の宿から」がいい。「寒さこらえて編んでます~」このな「編んでます」の「ん」のところにな、気持ちを込めなアカンねん。

​””花かげ”が一番好きやなあ。小学校の学芸会、思い出してな。歌ってるうちに高倉先生のこと思い出してな、涙が出てくるんやわ。

​団員の皆さんに一番好きな歌は何ですかとお訊ねすると、多くの方が”花かげ”を挙げられました。

きっとそれぞれの想いを胸に歌われるのか、それはこれまでの力強い歌声から透き通った住んだ歌声に変わり、今は生徒数が減少して休校中の小学校の校長室が優しい雰囲気に包まれました。取材を終えて夕食の準備をしている時、知らず知らず私は”十五夜お月様…”と口ずさんでいました。”ダメダメそんな歌い方では…、もっとこう…”今日の先生の声が聞こえてくるようでした。みなさん、いつまでもお元気で楽しんでくださいね。

休校中の川俣小学校

​十五夜お月さま ひとりぼち    桜ふぶきの 花かげに

花嫁すがたの おねえさま     くるまにゆられて ゆきました

十五夜お月さま 見てたでしょう  桜ふぶきの花かげに

花嫁すがたの ねえさまと     お別れおしんで 泣きました

​十五夜お月さま ひとりぼち    桜ふぶきの 花かげに

遠いお里の おねえさま      わたしはひとりに なりました

作詞 大村主計

作曲 豊田義一